おめでとう

昔、教育実習に行ったとき私が暖かく熱情的な指導を施した(大嘘ですよ)少年がなんと一浪の末、京都大学の経済学部に合格したそうです。おめでとう。おめでとう。

彼はなんだかとっても特殊な試験を受けたそうで「まぐれですー」と言ってましたが、三時間も数学の問題を解いて、六時間も論文を書いたりしたら、普通の人は気絶しますって。いやー。立派な教え子を持って先生は幸せだわ。ほほほ。

「私の今年の教え子で京都女子大とか同志社女子大とかに行く子もいるんだよ、紹介してあげようか、かわいいよ」
と言ったら「いいですよぅ」とはにかんでいましたが、京大生なんだからほっといてももてるでしょう。ふぅ。彼は浪人中に不精をしたとかで蓬髪になっていました。なんか本物の浪人みたいな妙な色気が。


明日は素晴らしい成果を上げて大学進学を決めたお嬢さん方が後輩の方々に高校生活の正しい送り方を伝授する会が行われるそうです。卒業したにもかかわらず結構毎日誰かに会えます。みんなそんなに学校が好きだったとは……。

おめでた続き。

友人の、看護婦の姐さんが女の子を出産しました。わー。
こんな雛祭りめいた日に産まれるなんて、きっと素敵な女性に成長なさることでしょう。
一応キリスト教学校の教員らしく聖書の言葉を贈っておきました。

確かに未来はある あなたの希望が断たれることはない

雛人形もらった。

雛人形については私は悲しい思い出があるのです。
私は小さなころ住んでいたおうちがとてつもなく狭かったせいで、一度も雛人形を飾ってもらったことがなかったのです。田舎のおうちには女の従姉妹全員用の七段飾りがあると聞かされてはいたけれど、見たことなかったし。
小学校の三年生くらいのとき国語の教科書に「戦争中、お米のかたにお雛様を手放してしまった女の子にお母さんが紙雛を作ってくれました」というお話を読んで真っ先に思ったのが「雛人形を飾ってもらってた五年だか六年だかの思い出があるんだからそれでいいじゃない」ということでした。かわいそうな子供ですよね。

そんな私に、今日、学年主任の先生がお菓子屋さんの雛チョコつきお雛様をくださいました。箱を解体して切ったり貼ったりすると内裏雛と女雛が治します雛飾りになるのです。先生本当にありがとうございます。

先生と私は変な苗字連盟なので卒業記念品の印鑑を人一倍ありがたく戴きました。私の苗字はただ変なだけですが、先生の苗字は由緒あるお名前だそうです。「私は、苗字を変えるという目的のためだけに結婚するのもやぶさかではない、と思っています」と言ったら「もっと自分の名前に誇りを持ちなさい」と窘められました。ふふふ。

雛人形を三月三日が過ぎても飾り続けていたら、お嫁にいけなくなるんですよね、先生?

神の守り 汝が身を離れざれ

お嬢さん方が卒業式を終えられました。
朝から雨で寒くて、お天気には恵まれませんでしたが、素敵な卒業式でした。
お嬢さん方はみんなセーラー服に黄色いフリージアの生花をつけてとてもきれいでした。私は自分の卒業式では泣いたことなんかなかったのですが、在校生の送辞を聞いていたら泣きそうになり、お嬢さん方の代表の答辞を聞いていたら本当に泣けてきました。
お嬢さんたちは在学中「あなたたちはその気になれば何でもできる人たちです」と言われ続けてきたそうです。褒められて大きくなった人たちは期待に応えようとして自発的に頑張れる人になるんだなぁと思いました。

その後の謝恩会ではご馳走を食べる暇もないほどお嬢さん方と写真を撮ったり写真を撮ったり、写真を撮ったりしました。楽しかったです。
その上私はお饅頭だのお菓子だの、お花だのまで戴きました。大変ありがたいです、

賛美歌には様々な種類があって卒業式には卒業式用のものもあるのですが、その言葉のように、これからもずっと神様の守りがお嬢さん方から離れないことを祈るばかりです。

いよいよ。

お嬢さん方が明日卒業式をお迎えです。
私は一年のお付き合いですが、学年に所属していたので関係者席みたいなところに座ります。わー。
去年の自分の院の卒業式で、あまりに不真面目な態度をとっていてお隣のお友達から「あなたね、これから入学式とか卒業式とかいっぱい出でるんでしょ。しかもちゃんとするように指導する立場になるんでしょ?」とか諌められていた私が、そんなところに座って失態を犯さないか気がかりです。

今日はお嬢さん方の卒業アルバムにメッセージを書いたり、謝恩会の飾り付けをしたりしてきました。楽しかったです。
明日は只でおいしいご飯がいっぱい食べられます。きっと楽しいと思います。
私はお嬢さんたちにはいろいろ教えてもらってすごく感謝しているので、最後にちゃんとたくさんお礼が言えるといいなぁと思います。

心に余裕のある方は、お嬢さん方の最後の高校生活がよい一日で締めくくれますよう、祈っていてくださいね。お願いします。

あわわわわ。

わたくし、来年度は中学生のお姫さま方のおかあさんになることになりました。あー。
(今、「中学生のお姉さん」と書こうとして年を考えて止めた)
今の生徒のお嬢さん方は私がぼんやりしていてもいろいろ教えてくれたり、知らないことがあっても笑って許してくれたりしたのですが、これからは私以上に何もわかっていない方々のお相手です。わーん。何と言ってもお相手は今小学生の人々ですから。
私ちいさい子供、すごーく苦手なんですが、やっていけるかなぁ。

多分、来年度は様々な学年の人々とお勉強することになるとは思うのですが。まぁ、どうなっても「さんすう」や「りか」を無理やり教えさせられていた塾講師時代よりは余程ましだし。頑張らねば。


ところで生徒のお嬢さん方は着々と進路を決めていて立派なことです。
この土・日が国公立大学の二次試験です。心に余裕がお在りの方は、是非彼女たちの健康と試験での健闘を祈ってあげてください。お願いします。

三月一日が卒業式です。
お嬢さんたちは実はどうも卒業式で歌う讃美歌の意味がわかっていなかったらしい。あははー。多分彼女たちはやはり文語で書かれている校歌の意味もきっと誤解しているか考えていないに違いない。「みがか(磨か)なむ」は「磨いて欲しい(「なむ」は願望を表わす終助詞)」というあなた方への期待であって「磨くだろう」とか「磨きましょう」とかいう意味ではないのですよ。

 ろくでもない。

最近の私ときたら。お嬢さん方にろくでもないことばっかり教えているので、くびにならないかひやひやします。ふふふ。

お友達と喧嘩しちゃって、今仲直りしないと卒業したらぜんぜん会えなくなっちゃうかも、と心配しているお嬢さんに「そんなの。卒業して彼氏でも出来たらどうせ会わなくなるんだからいいじゃないの」と言ったり。
六年間も同年代の男の人と話したことないから、お友達が出来るかわかんない、と心配するお嬢さんに「大丈夫。最初はすごーく優しくしてもらえるから。でもそのときの只のご飯は何で只なのか考えないと恐ろしいことになるのよ」と教えたり。
「みんなは三回くらい男に騙されて多少は悲しい目にあったほうがいいと思うよ。痛い目とか怖い目とかよりはましだよ」とか「その、今身につけてる人間関係の仕組みは卒業して学校を一歩出たら、すべて忘れた振りをして生きていくのですよ」とか。

友人の夫や恋人の話をするたびに「わー。こわーい」と言われているのですが(ちなみに、ありのりくんは彼女たちの中では「妻を電話に出さない夫」として認識されている)あまり甘い幻想を抱いて世の中に出て行って痛い目にあうよりも、最初から何の期待もしていないで、想定内の酷い目にあうほうが痛手は少ないと思うのです。私、嘘は教えていないですよね?


あ。お嬢さんたちは「姦淫」だの「淫行」だのいう単語に付箋を貼り付けながら聖書の授業を受けていたそうですが、卒業するまでに牧師の先生とキリスト教の精神と当の聖書に心から懺悔していって欲しいと思いました。あはははは。