あいつのモチベーションは、何?

お嬢さん方は大学入試に向けて学科試験や小論文試験など、学校でどうにか対応できるものの残っている方以外は、もうお好きなだけお家に居てもいい期間になっているのです。
そうなると受験生の授業以外受け持っていない私はさぞかし暇だろうとみなさまに思われているわけですが、まぁたしかに暇は暇なんだけど、もたらされる問題問題みんな入試問題だから難しくて。はぁ。参ったね。

古文、という科目からして私大国公立二次対策補講の参加者が少ないのは推して図るべし、という感じですが、それよりも参加状況が薄弱になっているのが理科や社会。でもね、はっきり言って私以外の先生はそれぞれにさまざまな他の用事を抱えていらっしゃるので、別に生徒が集まろうが集まるまいが構わないのです。そんな中、世界史の先生が仰いました。

「世界史は今受講生が三人なんだけど、そのうちひとりはもう私大が推薦で決まってるんだよね。あいつのモチベーションは、何? もしかして『これ以上人が減ったらかわいそう』って憐れまれてるのかな、俺」

いいえ、先生。彼女は先生が好きなんです。(と私は本人から聞いて知っている)