欲望

私は現役の女性の作家の中では小池真理子さんにかなり傾倒しているのですが、その中でも一番印象的だったのが『欲望』という作品です。彼女の作品では『恋』が一番有名かもしれないけど、私にとっては『恋』よりも『冬の伽藍』よりも、『欲望』です。
で、その『欲望』が映画化されるのだとか。どうなんだろう、見たいような、見たくないような。というのも、私はこのお話、一回しか読んだことがないのです。この、気に入った本は100回でも繰り返して読む私が。
『欲望』は、あまりにも痛い。読んでいて身につまされるように痛い。外側からの痛みじゃなく、内側から毒が回るように痛い。

もうそろそろ読み返してみてもいいような気もするのだけど、まだ怖いなぁ。読んだら、阿佐緒さんに共感してしまうか、類子さんに共感してしまうか、どっちにしても怖い。正巳の痛みも以前よりは多少わかるかもしれないけれど。