歳末の和歌。

昨日と言ひ今日と暮らして飛鳥川流れて速き月日なりけり (古今集・341)
ゆく年の惜しくもあるかな増鏡見る影さへにくれぬと思へば (古今集・342・紀貫之
もの思ふと過ぐる月日も知らぬ間に今年は今日に果てぬとか聞く (後撰集・506・敦忠朝臣
かぞふれば我が身に積もる年月を送り迎ふとなに急ぐらん (拾遺集・261)
雪積もるおのが歳をば知らずして春をばあすと聞くぞ嬉しき(拾遺集・262・源重之)
雪降りて年の暮れぬるときにこそつひにもみじぬ松も見えけれ(古今六帖・244)
いち白きしるしなりけりあらたまの年の暮るるは雪にぞありける(古今六帖・246)
山のはに夕日さしつつ暮れぬれば春に入りぬる年にぞ有りける(古今六帖・250・貫之)
もの思ふと過ぐる月日も知らぬまに年もわが世もけふや尽きぬる (源氏物語・幻巻・光源氏)

上の八首はともかく最後の歌はあんまりだと思いました。


そんなこんなで今年はもうちょっと先に穏やかな心でゆっくり振り返るとして。
皆々様、良いお歳をお迎えくださいませ。