誰も知らない。

シネリーブル・博多駅というところで『誰も知らない』を見てきました。

日頃「日本で一番綺麗な俳優さんは松田龍平さん。それに匹敵するのが柳楽優弥くん」と公言しているので「更紗未々さんはこの人の顔が好きでしょう?」と綺麗な男の人の写真をよく見せて貰えるようになって嬉しいです。この二人の名前を出すだけで私の「男の人の綺麗な顔」が何だか、たちどころにわかってしまう、と言われました。あ、でもこんな綺麗な男の人が近くに居たら私は居たたまれなくなって溶けると思うので「自分は松田龍平よりも柳楽優弥よりも綺麗だ」と思う男の人がもし居ても、私のことなど打ち捨てて行ってくださいね。

と、くだらないことを書いたのは映画があまりにやるせなくて上手く言葉にならないからです。見終わって暫くは何だかまともに喋れなくなりました。そんな映画でした。
妹弟を公園に連れて行くため、靴箱からそれぞれの靴を取り出して並べた柳楽くんがふわっと笑う場面があるのですが、その顔がとても素敵でした。大人の役者には出来ない顔だと思います。あれは。この映画を誰かと一緒に見たら、多分、その相手に自分の心の綺麗さを(あらゆる意味で)計られてしまうような気がします。疚しいところのある人はお気をつけください。


ところで4日の「きみはそんな言葉で女を口説く気か」に寄せて、敬愛するpandamarch先輩が思索日記「P‐fe‐rd」(id:pandamarch)で「究極至高の口説き文句は何だ?!」と言う企画を立ててくださいました。先輩ありがとう。しかもそれを受けて「大人の男の方」(id:hmmr03 参照)が真面目に考察をしてくれているのが感激です。こんな小娘(「少女」と同様「小娘」もおこがましい)の戯言が見事な展開を見せるとは。

とりあえず私は「口説く」=「セックスのお誘い」だと思います。しかも、その相手との一回目の。だから「あなたとセックスしたい」ということを如何に異性に心地良く聞かせるか、というのが争点な訳です。言葉の言い換えです。一回してしまえばもう、力関係は出来上がってしまうので言葉の威力にだけ頼るわけにはいきませんが、最初の一回を誘うときは「上手くいかなかったり、気持ち良くなかったり、後腐れたり、いろんな差し障りがあるかもしれないけど、でもそんなこと、してみなきゃわからないじゃないか!」と力尽くで相手に思わせる何かが無きゃ駄目だと思うのです。一応ハードルが高すぎるので不貞と病気持ちの場合は外してよいと思います。「差し障りがあるに決まってるでしょ」と言われるのが落ちだから。あぁ、あと、どちらかが初めて(もしくは殆ど始めて)のセックス、な場合も外そう。無駄に気を使わなきゃならなそうで厭だ。

と、そこまで定義した上で、「女が男を口説く時」について考えているのですが、一向に妙案が浮かびません。どうしよう。だいたい、「男が女を口説く」はありふれてるけど、逆はあまり知らないしなぁ。女の「セックスしましょう」ってあまり言葉を使わないのかなぁ。そのまま言うと社交辞令に受け取られそうだし。「そういうことは軽々しく言わないほうが良いよ」みたいに窘められるし。難しいです。
でも「男が女を口説く」場合は絶対言葉が要ると思うの。言葉を使うのが礼儀みたいになっているじゃないですか。例え顔が松田龍平さんや柳楽優弥くんのように綺麗でも「言葉で口説く」を省略することは出来ないと思うのね。何故だろう。あ、新たな疑問が沸き起こってしまったぞ。困ったなぁ。

そういうわけなので先輩、「女が男を口説く場合」はもうちょっと待ってくださいね。(完全に墓穴を掘った気分)
そしてこれを見てくださった女性の皆様。更紗未々を助けると思って是非「これで落ちなきゃ男じゃない」というような台詞を教えてください。