ぼんち。

山崎豊子さんの。お金持ちはえげつないなぁ、と思いました。権高、というのは私にとっては憧れの美徳なのですが、さすがにここまで行き過ぎるとちょっと。若い娘さんのうちなら許されるだろうが、年をとってしまうとえげつないばかりだな。

このお話もテーマは女系家族に男系の系譜を打ち込むとどうなるか、ということ。矢島屋さんは解体されたけど、河内屋さんは内側から男系に成り代わっていくだけだから今後も繁栄なさるでしょうて。

お話の最後に「妾寺」というくだりがありますが、なんだか嵯峨の祗王寺を彷彿とさせますよね。そして祗王寺へのお参りは『女系家族』にもあったから山崎豊子さんはあのお寺に女が一つ所にうようよ居ることへの恐怖を感じていらっしゃったのかもしれない、などと勝手な想像をめぐらしてみたりしました。

実際、祗王寺は異様ですよね。一度お尋ねあれ。