今日も今日とて。

お勉強。「夜をこめて〜」の歌はたいそうな人気を博し、お嬢さん方に「みんなで暗唱したい」と請求されました。どうぞどうぞ。清少納言さんもまさか1000年以上も経って、若いお嬢さんにこんなに愛唱されるとは思わなかったに違いない。

ちなみにこの歌藤原行成さんと清少納言さんが遅くまで二人でお話をしていて(ただ「お話」していただけとは思えないけど)行成さんが「明日は物忌みなので帰りますね」と言ってそそくさと帰ってしまった翌日のものなのです。
行成さんは「昨日は鶏に急かされたわけでもないのに早く帰ってしまったけど」とお手紙を寄越してきたので、清少納言さんが「夜のうちに帰ったくせに。あれが鶏なら王嘗君の鶏ですね」と返事をしたのです。行成さんは清少納言さんが当然王嘗君の話を知っているのを前提に手紙を出しているので「あぁ、矢っ張り。清少納言さんならこちらの意図を察して返事をしてくれると思っていましたよ」と喜び、「そうそう。あれは函谷関のこと。私とあなたのあいだにあるのは『逢坂の関』でしたね」とお返事をします。そこで詠まれるのが「夜をこめて〜」の歌。清少納言さんは性格の悪い紫式部さんに「賢しらだった見栄っ張り」みたいに言われて知性を鼻に掛けるようなところがあった人、と思われがちなので、この歌も知識の披瀝だと思われがちですが、別にそういうわけではなかったみたいですね。
行成さんはこの歌を聞いて

  逢坂は人越えやすき関なれば鶏鳴かぬにもあけて待つとか

と返歌します。さぁ、この歌はどういった意味の歌でしょうか。
みなさまゆるりとお取り組み下さいませ。