ふぅ。

今日は人生初☆「古本屋さんで本を売る」を体験して参ります。どきどきどき。
お引っ越しに向けて泣きたくなるほど文庫本、マンガ、新書などがあるのでごっそり売り捌こうかと。
で、そうは言うものの四月からの人生に向けて「やっぱり、谷崎さんの本と三島さんの本は残そう。格好が付かない」とか考えていたら、売り捌く本の分類に時間が掛かるわ掛かるわ。『細雪』なんか新潮社版と中央公論社版と二冊もありました。しかも、新潮社版は三冊に分かれているのです。何故、そんな、無駄なことを・・・・・・。
私、『細雪』を読んだとき、「この雪子さんは年を取ったら『鍵』の郁子さんになるんだろうなぁ」と思ったのですが、似てませんか、この二人?
しかし、この郁子さんは大層怖い人だと思います。谷崎さんの書く女性は『痴人の愛』のナオミさん型の美女と、和風貞女めかした『細雪』の雪子さん型の美人とに大雑把に分けられると思うのですが、どっちの女性も発表の仕方が違うだけで酷くて怖い人々なので、谷崎さんは相当に、女性に怖い目に合わされるのが好きなんだろうな、と思いました。
ところで私は、谷崎さんが根津夫人だった松子さんを口説いた「私に取りましては芸術のためのあなた様ではなく、あなた様のための芸術でございます、もし幸ひに私の芸術が後世まで残るものならばそれはあな様(ママ)といふものを伝へるためと思召して下さいまし勿論そんな事を今直ぐ世間に悟られては困りますがいつかはそれも分かる時機か(ママ)来るとおもひます、さればあな様(ママ)なしには私の今後の芸術は成り立ちませぬ、もしあなた様と芸術とが両立しなくなれば私は喜んで芸術の方を捨てゝしまひます」という文句が結構好きです。