口説き文句。

私がこの日記を書き始めて割とすぐの頃、「究極の口説き文句」について微妙な論議が飛んだことがありましたが、あの対決ってまだ有効なんですか、ぽんだ先輩?

『愛しき男たちよ』という小池真理子さんのエッセイを読んだら冒頭から「殺し文句」「口説き文句」について言及があったのでいつになく真剣に読んでみました。ふむふむ。

まずは「殺し文句」について。
 殺し文句というものがある、たいていの場合、その一言で女、あるいは男は落城してしまう。そんな言葉は滅多に使えないだけ、余計に価値があり、記憶に留まることになる。
との定義。そして紹介される殺し文句(小池真理子さんが実際に受け取ったという)は
「今まで会ったとき、君はジンフィーズを飲んでいた。今度会う時は、カティサークをロックで注文するような女になっていてほしい」
と。・・・・・・。これは。ある程度の年齢の男の人じゃないと駄目ですよねぇ。小池真理子さんは「不思議な人ですね」と言われるとぐっと来るそうです。私は落ち込みますが。何となく。
女性版は「帰りたくない・・・・・・」だそうで。これは言うのは簡単ですが、状況が。沈黙が沈黙たり得る場面でないと、「じゃ、もう一軒行く?」となって台無しになる。うむむ。


次ぎに「口説き文句」。
口説き文句は「付き合いの浅い男と女が、セクシャルな関係になりたいと思った時、どんな台詞が必要なんだろうか」ということで、ほら。やっぱり、「セックスのお誘い」じゃないか。
必要なのは酒。で、顔を正面から見ないように座ったらあとはひたすら時間を稼ぐ、のだそうです。まぁ、あとはいろいろ書いてあるのですが、肝心なことはこちらです。

「どうしてみんな、素直に”ヤリタイ”って言えないんだろうね」と私は質問した。Cクンはすかさず答えた。
「ブスで惚れてもいない相手にはそう言うさ。でも惚れそうな相手だと言えないんだよね」
 一同、ひそかにうなずき合った。